音楽スタジオの起業日記

川崎市の音楽スタジオ(武蔵小杉駅近)『スタジオアイシャ』
音楽スタジオの起業日記トップ > 新型コロナ

新型コロナ対応:臨時休業

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、想定していた最悪の事態まで来てしまいました。休業です。

3月は営業を続けるべきか、休業すべきか悩みまくった日々でした。
最終的に自分に問うたのは次の2つの質問でした。

「休業したいのか?」

したい。
恥ずかしい話ですが正直、この悩みから逃れたいという気持ちもありました。

「休業できるのか?」

出来る。
休業の想定は最短で3週間、最大で2カ月。主に必要な費用は家賃とスタッフの休業手当、他に諸々といったところです。
おかげ様でスタジオアイシャの経営は順調で、2号店を目指して資金を蓄えていました。たまたまそういうタイミングだったこともあり、資金面は大丈夫です。
もちろん、2号店のためにコツコツ蓄えた資金が消えていくのは身を切られる思いです。しかし、この最悪の状態では2号店の優先順位は下げざるをえません。
それにしても、計画通り2019年に2号店をオープンしていたら、資金的に休業という判断は出来なかったかもしれません。それを想像すると本当にゾッとします。

そんなこんなで、3月末には緊急事態宣言が発令されたら臨時休業をする決断をしていました。そして実際に発令されたタイミングで、その期限も踏まえて4/8(水)〜5/7(木)を臨時休業することにしました。

臨時休業をアナウンスした後、たくさんいただいている予約をキャンセルする処理をしていました。本当にたくさんの予約をいただいていて、それをキャンセルするのはつらい仕事でした。決心したはずなのに「1人での練習ならリスクは少ないのに」「レッスンで生計を立てているのに申し訳ない」など、いろいろな思いが頭に浮かんできます。

他にも臨時休業に入るための作業や、後回しにしていた事務作業などを片付けて、一段落したところでこのブログを書いています。いくつかの悩みから解放されて、気持ちはだいぶ楽になりました。

こうなると、次にすべき事はおのずと決まってきます。まずは、この臨時休業で受けるダメージを和らげたいところです。そのために、公的なサポート制度を最大限活用したいと思っています。
本格的に調べるのはこれからですが、雇用調整助成金と中小企業向けの給付制度が有望そうです。

いつになるかは分かりませんが、もし2号店を実現できたとしても、その後に感染症のリスクと向き合わなければならなくなる可能性は高いと考えています。そんな時のために、今回の経験からどれだけ学びとれるかが大切だと自分に言い聞かせつつ、休業期間を過ごしたいと思っています。



■studio Aisya (スタジオアイシャ)
s-aisya.com


新型コロナ対応:雇用調整助成金

臨時休業のダメージを少しでも和らげるために、公的なサポートを最大限活用したいと思っています。
今回はそんな中から、雇用調整助成金について情報をシェアさせていただきます。

私は人事労務に関しては詳しくなく、正確でない点があるかもしれませんが、あらかじめご承知おき下さい。
私のように小規模事業の責任者で、人事労務に詳しくないけど自分で対応せざるえなくなった人に、一つの例としてお役に立てれば幸いです。

休業していても必要な費用がある訳で、その中で大きいのが家賃と休業手当です。
スタジオアイシャの場合、4/8〜5/7で臨時休業の予定です。私以外にアルバイトスタッフが6名いて、スタッフ全員に休業期間の休業手当を支給する予定です。その休業手当について、貸付ではなく給付という形でサポートしてくれる制度が雇用調整助成金です。

雇用調整助成金は、今まで知りませんでしたが元々あった制度のようです。しかし新型コロナの対策として4/1〜6/30の期間は様々な特例措置を取っていて、ほぼ別物と言ってもいい制度になっています。以下は全てこの対象期間で特例措置を前提としています。

スタジオアイシャの場合、少し乱暴ですがポイントは次の通りです。
・休業で売上が減少したほとんどの事業者が対象
・アルバイトスタッフの休業手当も対象
・雇用したばかりの新人スタッフも大丈夫
・休業実施後の書類提出でOK
・複数月まとめて申請可能
・解雇がなければ休業手当の9割給付


概要は次のHPで公開されているガイドブック(簡易版)の最新版が比較的分かりやすく、正確な情報だと思います。
また、同じページで紹介されているFAQも参考になります。
厚生労働省の雇用調整助成金に関するHP


私は恥ずかしながら、そもそも休業手当について知りませんでした。
ちなみに、計算方法は次の通りです。
・平均賃金×休業日数×60%(60%以上)

平均賃金の計算方法は次の通りです。
次のどちらかで金額が高い方
・3か月間の賃金の総額÷3か月間の歴日数
・3か月間の賃金の総額÷3か月間の労働日数×60%
詳細は次のHPが参考になると思います。
HR Base「休業手当の計算に必要な、平均賃金の出し方【計算用Excelシート付】社労士監修」

なお、有給休暇は賃金の総額に含めるとのこと。詳しくは次のHPが参考になります。
日本の人事部 人事のQ&A「平均賃金算出方法(最低保障)」

また、新人スタッフで入社後3ヶ月未満でも、直前の賃金締切日から起算するとのことです。詳しくは、次のHPを参照して下さい。
労働問題.com「10分で分かる!平均賃金の計算方法」


申請書については、私も作成はこれからですが、ガイドラインを参考にしていけばなんとかなる気がしています。
参考までに、申請書の一つとなる休業協定書についてです。
本来、休業の実施前に休業協定を締結するのがあるべき流れかと思いますが、特例措置として事後でも大丈夫とのことです。
休業協定書については、次のHPが参考になるかもしれません。
ワーク・ルール 【新型コロナウイルス】雇用調整助成金(休業手当)の要件・助成金額・申請方法などを解説「労使協定の作成・提出」

今のところスタジオアイシャの休業期間は、4/8〜5/7を予定していますが、状況によっては延長せざるを得ない場合もあります。特例措置で6/30まで事後の申請でOKとのことですので、休業が終了した後に申請したいと考えています。

なお、問い合わせ先についてです。
一般的な問い合わせは次のコールセンターに電話する方法があります。

コールセンター:0120-60-3999
受付時間 9:00〜21:00(土日・祝日含む)

私の場合ですが、コールセンターはかかりにくい上に、少し突っ込んだ話はかなり電話口で待たされて地域の窓口を紹介されました。そして地域の窓口に何度も電話しましたが、一度も繋がらない状況です。メールでの問い合わせに関する情報も見当たらず、問い合わせはハードルが高そうです。


ガイドラインを見る限り、休業手当の9割を給付してもらえるように見えますが、保証はありません。また、給付されるとしてもいつ給付されるか保証はありません。スタジオアイシャの場合はたまたま当面の手元資金が確保できていますが、手元資金が厳しい事業者の方は不安だと思います。手元資金が不足している場合は、まずは資金調達を優先する必要があるかと。

自分で出来ることの一つが雇用調整助成金の活用です。これで少しでも臨時休業のダメージを和らげたいと思っています。



■関連情報
【カテゴリ】新型コロナ

■studio Aisya (スタジオアイシャ)
s-aisya.com

新型コロナ対応:臨時休業の延長と営業再開に向けて

4/8(水)〜5/7(木)までとしていた臨時休業を、5/31(日)まで延長しました。
臨時休業に入る時については、次の記事にも書いています。
新型コロナ対応:臨時休業

臨時休業は最短で3週間、最長で2ヶ月と予測していました。想定していたとは言え、約2ヶ月の臨時休業は最悪な状況です。

時を少し戻して、臨時休業に入ったあたりの話です。
基本的に国が緊急事態宣言を発令したら臨時休業に入る方針で、実際にそのタイミングで臨時休業に入りました。その時は「緊急事態宣言」はイコール「神奈川県の休業要請」と考えていました。しかし臨時休業に入った後、その間にずれがあることが分かりました。また、神奈川県の出した休業要請の対象一覧では、音楽スタジオが対象か微妙な表現になっていました。
とは言え、原則としては生活必需品となる商品やサービスを扱っていないお店は休業要請の対象となっていたので、音楽スタジオは対象という前提で動いていました。例えば、カラオケボックス、ライブハウスは「遊興施設等」としての扱いとなり対象でした。しばらくして情報収集をしていると、次のHPで音楽スタジオは休業要請の対象と明記されていました。
神奈川県新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金について「よくあるお問い合わせ」
ということで、スタジオアイシャの場合は神奈川県の休業要請の対象ということが確認できました。これはつまり、協力金の支給対象となるので、少し安心しました。

話は臨時休業の延長に戻ります。
基本的には神奈川県の休業要請が解除されない限り、延長する方針でした。5/4(月)に国から緊急事態宣言を5/31(日)まで延長することが発表されました。これに応じて、5/5(火)に神奈川県から休業要請も5/31(日)まで延長されることが発表され、スタジオアイシャも臨時休業を延長することを決定しました。
ちなみに今回の休業要請の延長に伴い、協力金の方針も示されました。今回は休業要請の対象かどうかにかかわらず、休業に協力した事業者に一律10万円を給付するとのことでした。
新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金(第2弾)について

約2ヶ月の休業という最悪の状況を、乗り切っていかなければなりません。幸いなことに、2号店のために蓄えていた資金があるため、当面のキャッシュフローを心配する必要はありません。また神奈川県の協力金など、様々な助成金を最大限活用出来れば、臨時休業のダメージを和らげることが出来そうです。
これらの助成の制度は、ザックリ言うと事業規模が小さいところには効果的ですが、事業規模がある程度大きければ焼け石に水となってしまいます。スタジオアイシャの場合は事業規模が小さいので、だいぶ助かります。
いろいろな偶然が重なって、臨時休業の期間はそれほどダメージを受けずに乗り切れそうです。

そして今考えているのは営業再開後で、それに向けて準備をすすめています。
基本的には神奈川県の休業要請が解除されれば、営業を再開する方針です。そして様々な状況を私なりに考えてみると、予定通りに休業要請が解除される可能性は高いと予測しています。

ただ営業再開後から、需要がすぐに戻ることはありえません。営業再開後からおおむね元の需要に戻るのに最短で1年、最長で2年と予測しています。これはほぼイコール、ワクチンが日本中で利用できる状況になるまでと考えています。それまでは、多かれ少なかれ新型コロナウイルスの影響は続きますし、再び臨時休業せざるを得ない状況になることも十分想定されます。この状況をどう乗り切っていくかが最大の課題です。そして時間はかかるかもしれませんが2号店の計画を練り直し、なんとか実現したい。それが今の最大のモチベーションになっています。



■関連情報
新型コロナ対応:臨時休業
【カテゴリ】新型コロナ

■studio Aisya (スタジオアイシャ)
s-aisya.com