閉店するとなると、現状回復をはじめ、いろいろお金がかかるのが痛いです。このダメージを和らげるためにも、今ある設備を可能な限り売却したいところです。
今回のトピックは、組立式防音室の売却についてです。
組立式防音室は、防音室としては設置や移設、売却などが容易で、柔軟に運用出来るのが強みの一つです。
ただ売却する場合、ピアノなど一般的な資産と比較すると需要が限られており、扱う事業者も少ないため、なかなか難しいことが多いです。
以下では、オープン時から撤退することも見据えて組立式防音室を導入した経緯から、閉店時に売却先を探し、結果的に委託販売という選択をするまでを書かせていただきます。
スタジオアイシャでは、2010年のオープン時に「アコースティック楽器の個人練習に最適化した音楽スタジオ」というコンセプトのもと、市販の組立式防音室を導入しました。一定の品質を確保しつつ、費用を抑え、撤退時に売却できる利点を考慮したためです。
そして組立式防音室の中でも、ヤマハのアビテックスを採用しました。信頼性が高く、リセールバリューも期待できるためです。
基本的にはアビテックスをそのまま使うのですが、床のカーペットを取り外し、代わりにクッションフロアーを床に固定することにしました。土足利用の利便性とメンテナンスの容易さを考慮したためです。この時は、防音の機能が低下する訳ではないので、リセールバリューへの影響は少ないと考えていました。
そして閉店に伴い、買取先を探しはじめ、大手の3社に声をかけさせていただきました。1社は店舗で使用していたため買取不可、1社は床が理由で買取不可、最後の1社は買取可能でしたが、査定額はほぼ0円でした。
後者の2社は、床にクッションフロアーをはりつけていることに、難色を示しているようでした。もし私が中古の組立式防音室を買うとしたら、どうせカーペットを敷くのだから、その下の床はクッションフロアーであっても気にしないと思うのです。しかし、事業社の観点からはそうではないようでした。
さらに何社かに声をかけると、ある程度の金額で買取可能な事業者も出てきました。事業者によって、買取に対するスタンスがだいぶ違うことが分かってきました。
メルカリなどで売却する方法も頭に浮かびましたが、閉店に向けてバタバタしている中、そこまで手が回りそうにありませんでした。単に売るだけでなく、防音室の移設なども対応しなければなりません。
さらに調べていくと、委託販売というスキームがあることを知りました。もし売れれば売却額が通常の買取より高くなりますし、売れなくても委託販売よりは安くはなりますが、事業者が買取してくれます。販売から移設まで対応してもらえるので、手間もかかりません。まだ閉店まで時間があることもあり、売れる期待が持てそうです。いろいろ検討した結果、委託販売をお願いすることにしました。
委託販売をお願いしたのは「株式会社東京サウンドボックス」さん。組立式防音室の販売や移設を事業の中心としていて、2022年に創業した会社とのこと。こういう会社が出てきたのは、なんだかうれしいです。
東京サウンドボックスさんのHPで、スタジオアイシャの防音室を販売しているページは次のリンク先です。
もし、スタジオアイシャで使用いている防音室の購入に興味がある方は、東京サウンドボックスさんに問い合わせをしてみて下さい。
■0.8畳 Dr35
■1.2畳 Dr35
■1.5畳 Dr35
■2.0畳 Dr35
■2.5畳 Dr35
■2.5畳 Dr40
■株式会社東京サウンドボックスさんのHP
余談ですが、東京サウンドボックスの代表の佐藤 文哉さんは元ドラマーとのこと。何だか名前をお見かけした記憶があったので調べてみたところ、好きなミュージシャンのバックでドラムをたたいている動画を何度か見ていました。なんだか、不思議なつながりも感じたりしていました。
■studio Aisya (スタジオアイシャ)
・s-aisya.com
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